RDM (Remote Device Management) は、grandMA3 デバイスとそれに接続されたRDM対応デバイス(RDM対応フィクスチャ)との間で、標準DMXラインを介して双方向通信を行うためのプロトコルです。PLASA による ANSI E1.20 - 2010 は、RDM 規格を DMX512 プロトコルの拡張として規定しています。
DMX開始アドレスなどの手動設定は、もはや必要ありません。これは、デバイスが遠く離れた場所に設置されている場合、特に有用です。
RDMは、接続に影響することなく DMX に統合されます。RDMデータは、標準のXLRコネクタ接続で送出されます。新たなDMXケーブルは不要です。RDM対応デバイスと従来のDMXデバイスは、同じ一本のDMXライン上で操作できます。RDMプロトコルは、独自のDMX512データ・パッケージを送り、従来のデバイスには影響を与えません。
RDMを使えるようにするには、2つの異なる場所でそれを有効にする必要があります。
RDMモードでは、DMX値が変化した場合にのみDMXデータが送信されます。さらに、DMXフィクスチャが無信号モードにならないように、500m秒ごとにリフレッシュ・パケットが送信されます。
このRDM出力モードによって、DMXライン上でRDM構成のための処理時間をより多く確保できます。
RDM Devices ウィンドウには、RDMを介して検出されたすべてのデバイスが一覧表示されます。これは、Add Window ダイアログの Tools タブから開けます。
これと同じ一覧は、Menu - Live Patch - RDM にも表示されます。
XLRポート上でRDMフィクスチャが検出されると、RDMPort という新しいノードがRDMデバイス一覧に追加されます。各RDMPortノード内には、この物理XLRポート上でRDMによって検出されたすべてのフィクスチャが一覧表示されます。RDMポートには、デバイスのIPアドレスとXLRポートからなる名前が付けられています(例: 192.168.0.4 - XLR D)。デバイスがそのポートで利用できなくなると、文字色が赤に変わります。
RDMごとに検出された各フィクスチャタイプに対して、RDM Devices ウィンドウの RDMFixtureTypes ノードに新しいノードが作られます。各 RDMFixtureType には、RDMフィクスチャの一般的な情報が含まれています。これは、同じ製品のすべてのフィクスチャ(パラメータの説明や利用可能なDMXパーソナリティなど)というのに似ています。
grandMA3 は、ManufacturerID、DeviceModelID、および SoftwareID の3パラメータに応じて、RDMFixtureTypes を独自に作成します。
同じ物理タイプの照明フィクスチャが、ファームウェア・バージョンの違いによってソフトウェアIDが変わると、すぐに異なる RDMFixtureTypes が作成されます。
この最初の実装では、ユーザによって設定可能な以下のRDMパラメータをサポートしています。
RDM Devices ウィンドウで編集できるのは、RDMフィクスチャが設定可能として提供するプロパティのセルだけです。
grandMA3 でのRDM通信は、以下のプロセスにしたがいます。
フィクスチャ実行時に変化しないパラメータ(Device Info など)は、対応する RDMFixtureType を作成する際に一度だけRDM経由で取得されます。他のすべてのパラメータとセンサ情報は、上述のステップ2で毎回取得されます。
連続3回の検出でRDMフィクスチャが無効になると、一覧でそれが赤表示になります。
RDMフィクスチャを、grandMA3 パッチのフィクスチャとマッチさせることができます。そのためには、RDM Devices ウィンドウで、目的のRDMフィクスチャのセルを編集します。ポップアップが開き、現在のショーファイルにあるすべてのフィクスチャが提示されます。
また、Live Patch の RDM ウィンドウ内で、フィクスチャをマッチさせることもできます。Live Patch では、上述と同じ方法でフィクスチャ一覧を開けます。任意のフィクスチャのセルを選択し、ウィンドウ下部にある Match をタップします。
RDMフィクスチャと grandMA3 フィクスチャ間のマッチを解除するには、Live Patch の RDM ウィンドウで Unmatch をタップするか、Match ポップアップで Clear をタップしてください。