フィクスチャの選択は4章で説明した方法で行えますが、よく一緒に使うフィクスチャがあり、それらをまとめて選択したい場合、Groups を利用できます。
グループには、フィクスチャの選択状態と、それらの選択順が保存されています。
グループは、Group プール にまとめられています。これをウィンドウとして作成すると、グループの作成、確認、選択などを簡単に行えます。
Group プール・ウィンドウを作成するために、ユーザ定義エリアの場所を空けてください。Groups ウィンドウは、Add Window ポップアップの Pool タブから、他のウィンドウと同様にして作成できます。
プールが空の場合、以下のように表示されます。
左端のマスはタイトル部分で、すべてのプールにあります。ここには、他のウィンドウのタイトルバーと同様にMAのロゴがあり、これによってプールの設定にアクセスできます。
多くの場合、Fixture Sheet のような複雑なウィンドウに比べ、プールの設定項目は少なくなっています。
プール・ウィンドウにある他のマスには、プール・オブジェクトを保存できます。Group プールに保存するオブジェクトは、グループです。これから作成するものの多くは、プールに保存されます。例えば、保存・変更したビューは、実際には View プールにあります。
現在のフィクスチャで、いくつかのグループを作成してみましょう。
最初のグループは、フロント・ライトになります。
プログラマが空になっているのを確認してから、フィクスチャ1〜8を選択してください。ディマー値を指定する必要はありません。
そして、Group オブジェクトが表示されるまで、最初の空オブジェクトを長押ししてください。
Command Line History ウィンドウを見ると、"Store Group 1" コマンドが実行されたことが分かります。
プログラマをクリアしてから、この Group オブジェクトをクリックしてください。そのグループのフィクスチャが再び選択されます。
このグループには名前がありませんが、簡単に名前を付けることができます。最後にフォーカスがあったオブジェクトには、白い枠が表示されています。プール・オブジェクトにフォーカスがある状態でキーボード入力を開始すると、名前の指定と見なされます。
そのため、Front と入力し始めると、Edit Name ポップアップが開きます。キーボードの 'Enter' を押すと、名前が確定します。
これで、グループに名前が付けられました。これは他の方法でも行えます。
プール・オブジェクトには、いくつかの一般的な機能にアクセスできる特別な Swipey メニューがあります。オブジェクトをクリックしたまま、ポインタをその外に移動させると、このメニューが表示されます。
メニューには、プール・オブジェクトを囲うように7個のボタンがあり、上部中央のボタンでグループに新しい名前を付けられます。メニューは、マウスボタンを押している間、または画面をタッチしている間に表示されます。ポインタ/指を目的のボタンに移動してから離してください。ボタンの外で離すと、何も行われません。
次に、フィクスチャ9〜14で2番目のグループを作成して、"Sides" という名前を付けます。必要なフィクスチャだけが含まれていることを確認してください。
3番目のグループは Blinder (フィクスチャ21〜34)です。
さらに二つのグループを作成します。これらの Blinder を対称的に分けて選択するもので、両者を合わせるとすべてが選択されます。
フィクスチャ21、24、25、27、28、30、31、および34で4番目のグループを作成し、"Even Blinders" という名前を付けます。厳密には偶数ではありませんが、無視してください。
そして、フィクスチャ22、23、26、29、32、および33で最後のグループを作成し、"Odd Blinders" という名前を付けてください。
これで、必要なグループができました。
アピアランスとは、ほとんどのオブジェクトに適用できる外観のことです。アピアランスは、Appearance プールにまとめられています。新しいショーのプールには、いくつかのアピアランスがあらかじめ用意されていて、ユーザが作成した他のアピアランスと同様に使用できます。
grandMA3 のほとんどのオブジェクトには、アピアランスを追加するオプションがあります。これによって、オブジェクトの外観をカスタマイズできます。これは、フィクスチャタイプや特別なキューのインジケータとして利用したり、要素にアイコンや画像を割り当てて識別しやすくしたりできます。
画像はアピアランスに利用できます。画像用のプールは別途用意されていて、そこに画像をインポートできます。
以下の画像をインポートしてみましょう。
ブラウザで右クリックして、この画像を保存してください。
インポート、エクスポート、およびショーの保存を行うには、USBフラッシュドライブを利用するのが最も簡単です。ソフトウェアが画像をインポートできるようにするには、ドライブに特定のファイル構造が必要です。画像は、特定の場所に置く必要があります。ソフトウェアでフラッシュドライブを使用すると、ファイル構造が作られます。スティックを挿入し、ショーをUSBフラッシュドライブに保存すると、必要な構造が得られます。
画像は、\grandMA3\gma3_library\media\images に保存してください。
画像がUSBフラッシュドライブの正しい場所にあれば、それを Image プールにインポートできます。
ユーザ定義エリアに Image プールを作成し、最初の空のプール・オブジェクトを右クリックしてください。以下のような Image Editor が開きます。
Import をクリックし、タイトルバーでUSBフラッシュドライブを選択してください。下の画面例のように、保存した画像を選択できるようになるはずです。
Import をクリックします。
そして、右上隅の 'X' をクリックして Image Editor を閉じてください。これで、Image プールに取り込んだ画像をアピアランスに利用できます。
カスタムのアイコンを使用したい場合は、背景が透明でアイコンが白の png ファイルを用いると良いでしょう。アピアランスの背景やアイコンに色を付けことで、同じアイコンで異なるアピアランスを作成できます。
Appearance プールのオブジェクトを編集して、アピアランスを作成しましょう。
以下のようなエディタが表示されます。
左側では、名前の変更、画像の追加、表示方法の選択、プレビュー表示を行えます。右側は上下二つに分かれていて、色の調整を行えます。上側では画像の色を、下側では背景色を調整します。画像は、元の色から下げる方向にのみ調整できます。透明な背景には、色を加えることができます。
Image をクリックし、インポートした画像を選択してください。
必要に応じて、色を調整します。
終わったらエディタを閉じます。
アピアランスは、さまざまなオブジェクトに割り当てることができます。多くのエディタには、アピアランスを選択するための Appearance 設定がありますが、アピアランスの Swipey メニューで 'Assign' を選んでから、それを割り当てたいオブジェクトをクリックすることでも可能です。なお、アピアランスを他のアピアランスや画像に割り当てることはできません。
さまざまなオブジェクトにカスタム表示を追加する方法として、スクリブルがあります。
これは、ユーザが作成して利用できる小さなドローイングで、そのためのプールが用意されています。
ユーザ定義エリアに Scribble プールを作成し、最初の空のプール・オブジェクトを編集してください。
以下のような Scribble Editor が開きます。
左側は描画エリアです。右側では、描画色や線の太さを選択、名前の変更などを行います。また、クリア、取り消し、色の変更、プールへの適用や保存のためのボタンがあります。
いろいろな描画オプションを試してみてください。
作業が終わったら、Apply をクリックして保存できます。
スクリブルは、アピアランスと同じように利用できます。 これは主にプール・オブジェクトに用いられますが、ウィンドウ背景やユーザ定義エリアのような、より広い範囲の要素にも適用することができます。
スクリブルを割り当てられるオブジェクトの名前を変更しようとすると、Edit Name ポップアップの隅に追加のアイコンが表示されます。
下向き三角マークは、画面キーボードを開きます。 その隣の曲線状のアイコンは、スクリブルを表しています。これをクリックすると、Edit Name ポップアップの下部に Scribble Editor が開きます。ここでスクリブルを作成してオブジェクトに適用すると、それがプールにも追加されます。
スクリブルとアピアランスの両方がオブジェクトに割り当てられている場合、下の画面例のように、アピアランスが背後に、スクリブルがその上に、そしてオブジェクト名が手前に表示されます。
この章では、選択ツールとしてのグループについて説明し、いくつかの有用なグループを作成しました。
また、オブジェクトのカスタム表示やマーク付けのためのツールとして、アピアランス、画像、およびスクリブルについて見てきました。
グループについては、ユーザマニュアルの グループ セクションで詳しく述べられています。
ユーザマニュアルにも、画像、アピアランス、および スクリブル というトピックがあり、それぞれの機能ついてより詳細に述べられています。
アピアランスやスクリブルについてはこれ以上説明しませんが、残りの章で自由に使ってみてください。
次の章 では、もう一つの便利なプールであるマクロについて説明します。