マクロやショーのコマンドライン入力で変数を使用できます。
変数は、再利用可能な文字列コンテナです。
変数は、後でコマンドラインやマクロで再利用するために、テキストの語句を保存しておくためのものです。これは、アトリビュートに対するプリセットと似ています。
変数は、SetVar キーワード と $ (ドル) を用いて定義します。
SetVar $nameofvariable="変数内容"
変数がコマンドラインで参照されるときはいつでも、その内容で置き換えられます。
変数には、名前などの文字列を含めることができます。その場合、引用符で囲んでください。grandMA2 はそれをテキスト文字列として解釈し、また名前に空白を含めることができます。
引用符で囲まない場合、テキストはコマンドとして解釈されます。
例えば、This is Us を含む変数を作成しようとして、以下のように入力したとします。
すると grandMA2 は、"This" というテキストを含む変数の定義と、InviteStation User というコマンドとして解釈します。
これは意図していたものではなく、また有効なコマンドでもありません。
引用符を忘れないでください。
変数には、数値を入れることもできます。数値として変数を作成し場合、整数または固定小数点数(小数点以下6桁)として定義されます。数値が固定小数点数になった場合、それを整数に戻すことはできません。少し技術的な計算を行ったとしても、大抵の場合は心配いりません。
以下は、キューリストで変数を使用する例です。マクロで変数を使用する他の例については、マクロの例 を参照してください。
歌曲の照明をプログラムする一般的な方法は、基本部分と各歌詞やコーラスの主要な変化のキューでシーケンスを作成し、そこに CMD 列を用いて別のチェイサーのオン/オフを加えることです。
トリガーしたいチェイサーが1つだけの場合、通常、以下のような簡単な構文で行えます。
変数を用いると、複数のチェイサーのトリガーを簡単に管理できます。
SetVar キーワードと同様に、SetUserVar キーワード もあります。
違いは、SetVar で定義された変数はすべてのユーザに対するグローバルなもので、SetUserVar で定義された変数は現在のユーザのみに適用されるということだけです。
ListVar や ListUserVar キーワードによって、現在の変数とそれらの内容を Command Line Feedback ウィンドウ に一覧表示できます。
ListVar は、ユーザ変数とグローバル変数の両方を表示します。ListUserVar は、現在のユーザに対する変数だけを表示します。
変数が大文字で保存されていることに注目してください。grandMA2 では、$thisISgreat と $thisisGREAT という2つの変数は区別されず、$THISISGREAT になります。
ListVar コマンドを実行すると、すべての変数が一覧表示されます。grandMA2 には、自動的に更新される多くの定義済みの変数があります。
それらのうち最も有用な変数として、以下のものがあります。
$SELECTEDEXEC:
現在選択中のエクゼキュータの番号です。
$SELECTEDEXECCUE:
選択中エクゼキュータで現在アクティブなキューです。
$FADERPAGE:
エクゼキュータ・フェーダのページ番号です。
$BUTTONPAGE:
フェーダなしのエクゼキュータに対するページ番号です。
$SHOWFILE:
ショーの名前です。
$USER:
現在ログイン中のユーザです。
これらは、"Global" として一覧表示されていますが、実際には、いくつかはユーザ変数です。同じセッションにいる2人の異なるユーザにとって、これらのいくつかは同じ結果になりません。例えば、$USER は異なり、そのページや選択しているエクゼキュータも異なるでしょう。
AddVar と AddUserVar という2つのコマンドによって、変数に対する加算や拡張を行えます。
数値として計算したり、テキストや数値にテキストを追加したりできます(数値をテキストに変換)。
以下の構文が可能です。
AddVar $variable = 数値
AddVar $variable = "文字列"
AddVar $variable = $variable
AddVar と AddUserVar の違いは、前者がグローバル変数に、後者が現在のユーザ変数に用いられることだけです。
対象となる変数は、AddVar/AddUserVar を用いる前に存在している必要があります。
数値の加算:
SetVar $my_number = 1
AddVar $my_number = 1
変数 $my_number は、数値の 2 になります。
文字列の連結:
SetVar $my_executor = "Executor 10"
AddVar $my_executor = " + 11"
変数 $my_executor は、文字列 Executor 10 + 11 になります。
変数の連結:
SetVar $date_time = $DATE
AddVar $date_time = "_"
AddVar $date_time = $TIME
これを行った場合、$date_time の結果はテキストになります。12.8.2016_12h31m37.963s というように、分かりやすくするため、日付と時刻の間にアンダースコアを追加しています。
数値に文字列を追加:
SetVar $num_text = 23
AddVar $num_text = " bananas"
結果は文字列に変換されて 23 bananas になります。
文字列に文字列を追加:
SetVar $text_num = "The answer is "
AddVar $text_num = 42
結果は文字列に変換されて The answer is 42 になります。
より実用的な例については マクロの例 を参照してください。