ACN (および streaming ACN)は ANSI/ESTAの国際標準です。
詳しくは en.wikipedia.org/wiki/Architecture_for_control_networks を参照してください。
ACN (Architecture for Control Networks) はプロトコル・スイートです。これは、現在 grandMA3 によってサポートされていない多くの要素を含んでいます。しかし、ACN プロトコルには、DMXデータを転送するためのバージョンもあります。これは、'Lightweight streaming protocol for transport of DMX512 using ACN'、より一般的には "streaming ACN" または "sACN" と呼ばれています(国際標準 E1.31)。
設定は、以下の sACN メニューで行います。
sACN メニュー
このメニューの開き方については、イーサネットDMX を参照してください。
設定ボタン
メニューの上部には、以下のようなボタンがあります。
Preferred IP :
sACN プロトコルで優先して用いられるIPアドレスまたはアドレス範囲です。Interface を Auto にすると、ここでの設定に一致するインターフェースを選択できます。この入力ボタンをタップすると、番号入力ポップアップが開きます。希望する番号は、CIDR表記によるIPアドレスとサブネットマスク(ビット数)として入力する必要があります。例えば、192.168.1.0/24 は、192.168.1 で始まるIPアドレスを選ぶことをシステムに伝えます。残りの数字は重要ではありません。末尾の "/24" はサブネットマスク 255.255.255.0 と同じです。この設定は、各ステーションごとに個別に行います。
Interface :
このボタンをタップすると、Select Interface ポップアップが開き、目的のネットワーク・インターフェースを選択できます。このインターフェースは、すべての sACN 入出力に対して用いられます。Auto オプションを用いると、Preferred IP 設定に従ってインターフェースを選択できます。この場合、選択されたインターフェースは "<" と ">" で囲まれて表示されます。この設定は、各ステーションごとに個別に行います。
Enable Output :
マスターが sACN を送信するには、このボタンをオンにしてください。Data も出力用に設定する必要があります(後述を参照)。
Enable Input :
マスターが sACN を受信するには、このボタンをオンにしてください。Data も入力用に設定する必要があります(後述を参照)。
Setup Mode :
Node に対する Setup Mode のオン/オフを切り替えます。これによって、sACN DMX データをネットワークに送信することなく、コンフィグレーション・データで Node 設定を行えます。
Send sACN If Idle Master :
このオン/オフボタンは、ステーションが Idle Master のときに sACN データを送信するかどうかを指定します。セッションでネットワークDMXを送信するのは Global Master です。ステーションが、他のデバイスとのセッションに加わっていない場合、Idle Master になります。この設定をオンにすると、Idle Master のときに、そのステーション出力がネットワークDMXになります。単独のステーションでネットワークDMXを出力する場合は、これをオンにする必要があります。スタンドアロン・デバイスとネットワーク・デバイスについては、システムの概要 を参照してください。この設定は、各ステーションごとに個別に行います。
Output Delay:
出力に対して0ms〜30msの遅延を設定できます。これにより、MA-Net 機器からの出力と比較して、sACN 出力全体が遅延します。
重要
Setup Mode モードを有効にすると、Enable Output と Enable Input がオフになっていても、sACN のコンフィグレーション・データは送受信されます。
Setup Mode がオフで、Output が有効な場合、DMXとコンフィグレーション・データが送信されます。
Setup Mode がオフで、Input が有効な場合、DMXとコンフィグレーション・データが受信されます。
ボタンの下には、Data と Discovery という2つのタブがあります。Data は、入出力の設定に用いられます。Discovery では、ネットワーク内の送信 Node を確認できます。
Data タブ
Data タブは行と列からなる表です。各行が sACN 構成に相当しています。行が無効か有効になっていない場合、名前が赤文字になります。sACN データが送信されると、文字色が緑に点滅します。
以下は列項目の簡単な説明です。
Lock :
変更を防ぐために、行をロックできます。
No :
行番号です。
Name :
各行に名前を付けられます。これは、その行に対する簡単な説明として利用できます。
Note:
各行に複数行の注記を追加できます。
Enabled :
行が sACN を送信または受信できるようにします。デフォルトは Yes です。
Mode :
行の動作を指定します。以下の4つの選択肢があります。
Output Multicast :
sACN が、関連するマルチキャスト・アドレスにマルチキャストとして送信されます。
Output Unicast :
これを選択した場合、有効なIPアドレスを Destination IP 列に入力する必要があります。この行で設定されているユニバースは、このIPアドレスにユニキャストとして送信されます。
Input Multicast :
関連するDMX入力ユニバースのマルチキャスト・グループに参加します。
ユニバースは、最大で10に制限されます。10行を超えて設定を行った場合、超過行はすべて無効になります。
Input Unicast :
制限はなく、どのマルチキャスト・グループにも加わらず、関連ユニバースの sACN データを受信します。
Destination IP :
これは、Output Unicast モードが選択されている場合にのみ有効になります。受信デバイスのIPv4アドレスです。
Local Universe :
送信用の grandMA3 ユニバース、または sACN DMX を受信するためのユニバースです。複数ある場合は、範囲内の最初のユニバースになります。
Amount :
送受信用 grandMA3 ユニバースの総数です。
sACN Universe :
grandMA3 ユニバースが送信される sACN ユニバース番号、あるいは Input が選択されている場合にリッスンされるユニバース番号です。複数ある場合は、範囲内の最初のユニバースになります。
Priority :
0〜200の値を設定できます。値が大きいほど優先度が高くなります。デフォルト値は100です。これは、送信した sACN に対して用いられます。
Preview Only :
sACNデータは、プレビュー・データとして送信できます。例えば、DMXをビジュアライザに送るために利用できます。
TTL (Time To Live):
ネットワークを介してsACNデータを送信する際に、トラフィックが失効するまでに通過することが許されるルータ(ホップ)の数です。これは、出力モードにのみ関係しています。デフォルト値は8です。通常は変更しないでください。
Delay :
送信される各ユニバース間にディレイを設定できます。これは、速度の遅いネットワークカードで古いノードを用いる場合に役立ちます。一度に多数のユニバースを送信するとノードがあふれる場合がありますが、わずかなディレイを追加することで回避できます。
Merge Mode :
受信した sACN がどのようにユニバースにマージされるかを指定します。構成行に対して Merge Mode を変更すると、Local Universe と Amount で指定されたすべてのユニバースが一緒に変更されます。Patch や Live Patch メニューの DMX Universes タブ、または Universe プールのユニバースを編集することで、単一ユニバースの Merge Mode を個別に変更できます。構成行の2つ以上のユニバースが異なる Merge Mode になると、Merge Mode セルには、そのことを示すために ... と表示されます。Merge Mode および Input Priority については、DMXポートの設定 を参照してください。
Input Priority :
受信した sACN の優先度です。grandMA3 のsACN入力は、sACN優先度を無視し、代わりにこの優先度を用います。
Discovery タブ
このタブには、ネットワーク内の送信ノードが表示されます。検出された各ノードが行になります。各ノードは、「ページ」のために1つ以上の下位行を持ちます。
Lock :
変更を防ぐために、行をロックできます。
No :
行番号です。
Name :
各行は、デバイスから名前を取得します。この名前は編集できません。
Universe List :
ノードが送信するユニバースのリストです。