トラッキングとその一般的な機能については、トラッキングとは を参照してください。
キューにおける Break とは、Release 機能のフィルタリング版です。Release がすべてのトラッキング値を停止するのに対し、Break は選択されているフィルタやワールドに基づいてアトリビュートのトラッキングを停止します。
Release 機能と、Break を設定してすべてのアトリビュートをフィルタリングすることの主な違いは、Release がアクティブになると、現在トラッキングされているアトリビュートが直ちにシーケンスから解放されることです。Break を設定しても、既存の保存値やトラッキング値には影響しません。既存の Break は、選択したフィルタやワールドにそのアトリビュートが含まれている場合、Break がすでに設定されているキューを通過する、追加または変更されたトラッキング値にのみ影響します。
Break セルを編集すると、Assignment Editor ポップアップが開きます。
このポップアップには、Empty、Filter、および World という3つのタブがあります。
Empty にすると、Break 設定が削除されます。Filter と World では、既存のフィルタやワールドを選択できます。これらのいずれかを選択すると、変更や追加のトラッキングが停止し、選択したフィルタやワールドの内容に基づいて Break が設定されているキューを通過します。詳しくは ワールドとフィルタ を参照してください。
Break 機能をより深く理解するには、以下の例を参照してください。
以下は、この例のためのベース・シーケンスです。
このシーケンスには、9つのキューがあります。キュー1には、フィクスチャ1に対していくつかの値(Dimmer、Position、および Color)が保存されています。
キュー1に保存されている値は、最後までトラッキングされます。Release が Yes に設定されているため、値は OffCue で解放されます。
Filters プールにある2つのフィルタ、"All" と "Only Dimmer" が使用されています。
フィルタは、すべてのアトリビュートとレイヤを含むものと、Dimmer アトリビュートとすべてのレイヤだけを含むものです。
この例では、キュー4はフェードアウト、キュー7はショーの2番目のシーンのためのフィクスチャとして用いられるものとしています。
Break 機能は、これら2つのキューをトラッキング値の変更から保護できます。
この例をさらに進める前に、キュー7の Release セルを編集して "Yes" に変更することで、Release 機能を調べてみましょう。
Release はこのトピックの範囲外ですが(トラッキングとは を参照)、Release によって将来および既存のトラッキングがすべて停止されることを示すために、ここに含めています。トラッキング値は、シーケンスから解放されます。
キュー7では、Release が目的ではありませんので、Release 列の "Yes" は削除してください。
キュー7に対する Break セルを編集すると、Assignment Editor が開きます。 Filter を選んでから All をタップして選択します。
シーケンスは以下のようになります。
これと Release の違いに注目してください。既存のトラッキング値は解放されませんが、将来の変更から保護されます。
Break には、トラッキングの中断を示す白い横線が表示されます。Break がすべてのアトリビュートに影響する場合(通常、フィルタ1またはワールド1を使用)、白線は行全体に広がります(Release と同様)。
キュー4はフェードアウトです。現在の Dimmer 値 0% は、キュー4に2 番目の Break を追加することで保護できますが、今回は "Only Dimmer" フィルタを使用します。
キュー4の Break は少し違って見えます。アトリビュート列では白線が黒になっています。これは、一部のアトリビュートがフィルタリングされていることを示しています。 Break セルの下部には、フィーチャグループ・インジケータバーが表示され、フィルタでアクティブなフィーチャが示されています。
これですべての Break が設定され、値を変更できるようになりました。フィクスチャ1に対する新しい Dimmer、Position、および Color 値が、キュー2に保存されます。
その結果、キュー4では Dimmer 値だけが0%(以前のトラッキング値)に戻されます。これは、Break のフィルタが、新たに追加された値によるキューを超えてのトラッキングを停止したためです。
キュー7のすべての値は Break のフィルタによる変更から保護されていて、キュー7では古いトラッキング値が(必要に応じて)追加されます。