トラッキングとは

トラッキングは、キューに変化だけを保存するという仕組みです。

フィクスチャが青で点灯している場合、変更の指示があるまで、そのままの状態にとどまります。オンの指示があるキューとオフの指示があるキューとの間に、キューがいくつあっても関係ありません。

オン/オフが切り替わる間の各キューが、フィクスチャを青で点灯させるという情報を持つ代わりに、それを一度保存するだけで済み、そこからトラッキングされます。

簡単に言えば、トラッキングとは、パラメータにレベルが一旦設定されると、それを変更するように指示されるまで、そのままでいるということです。

フィクスチャ1は、キュー1に、Dimmer 値100%の青で保存されます。八つキューがあり、フィクスチャ1に新しい情報が与えられない場合、それらすべてのキューで青100%のままです。

この情報を確認するのに最もよいのは、Sequence Sheet を Track Sheet モードにすることです(キューとシーケンスの確認 を参照)。これは、タイトルバーの Track Sheet をタップすることで切り替えられます。


六つのキューを持つシーケンス - キュー1にフィクスチャ1の値を保存

キュー1の値と他のキューの値との、文字色の違いに注目してください。マゼンタの文字色は、その値が実際にはキューに保存されていなく、前キューからのトラッキング値であることを示しています。

ここで、フィクスチャの色を赤に変え、Dimmer 値を再び100%に設定します。

これをキュー4および5に、Merge オプションで保存すると、以下のようになります。


六つのキューを持つシーケンス - キュー4と5でフィクスチャ1が新しい色 - ブロック値

キュー4と5で、Dimmer 値の文字色が白になりました。キュー5では R、G、B の値もすべて白、またキュー4では G アトリビュートも白になっています。これは、ここに値が保存されていることを示していますが、トラッキング値と同じ値になっています。これを「ブロックされた」値と呼びます。前のキューのいずれかで値が変更されても、キュー4では100%のままになります。キュー1からのトラッキング値はブロックされていて(同じ値)、キュー4に保存されている値が最後までトラッキングされます。

値は Track Sheet で直接編集できます。キュー3の Dimmer 値を編集するには、マウスで右クリックするか、タッチ画面上で2本指編集を行ってください。これによって 電卓 が開きます。


電卓

Channel Sets を選び Closed をタップしてください。

電卓が閉じ、キュー3の Dimmer 値が 0 に変わります。


六つのキューを持つシーケンス - キュー4でフィクスチャ1が新しい Dimmer 値

キュー3で、Dimmer 値の文字色が緑になりました。これは、Dimmer が前のキューよりも低い値で保存されていることを示しています。この緑表示は、下降する Dimmer 値に対してのみ用いられます。

R、G、B の暗青緑の背景色は、カラー値に対するMIB(Move In Black)の事前設定を表しています。詳しくは Move In Black を参照してください。

キュー4では Dimmer 値がシアン色になり、前のキューよりも高い値であることを示しています。

キュー5に冗長に保存されている値は、それを削除することでキューから削除できます。これは「ブロックの解除」とも呼ばれます。


六つのキューを持つシーケンス - シーケンスのブロック解除

これを行うには、いくつかの方法があります。

一つは、フィクスチャ1の Dimmer 値をプログラマでアクティブにしてから(値は問いません)、キュー5 を "Remove" オプションで保存することです。これによって、キューから Dimmer 値が削除されます。

二つ目の方法は、以下のようなコマンドを用いることです。

[Channel]> Unblock Sequence 3

これによって、シーケンス3全体から、冗長なブロック値がすべて削除されます。シーケンス全体のブロックを解除すると、G アトリビュート値の0もブロック解除されることに注意してください。これは望ましい結果ではないかもしれません。

三つ目の方法は、キュー5をブロック解除することです。これは、上述のコマンドに "cue 5" を追加するか、キュー5で値を編集することで行えます。必要なのは、キュー5からの値で開かれた電卓です。値は問いません。

電卓の左側で、Destination Attributes(s)All Fixtures に、また Apply toSelected Part(s) に変更します。そして、Specials タブで Unblock をタップしてください。これによって、選択されているキューパートですべてのフィクスチャに対するすべてのアトリビュートのブロックが解除されます。ここでのセレクションは、電卓を開いたときに選択されていたキューです。

Tracking Distance

トラッキング値には、そのキューからどのキューまでトラッキングするかを指定できます。これは、Tracking Distance 列で設定します。

Tracking Distance には、いくつのキューをトラッキングするか(Δ デルタ)、あるいは特定キューまでトラッキングするか、という二つのタイプがあります。

どちらのタイプも、Tracking Distance が終了するとアトリビュートを解放します。これによって、アトリビュートが以前のトラッキング値に戻るか、シーケンスから解放されます。以下の例を参照してください。

Tracking Distance が有効なキューの、影響を受けるアトリビュート値の横には、白い縦線が表示されます。

以下は、キュー1でフィクスチャ1の Dimmer を100%、B を100%にしたシーケンスの例です。Dimmer は、キュー3で0に設定されています。キュー4では、色が赤(R)に変わり、Tracking Distance のセルを編集して Δ+1 に設定しています。


六つのキューを持つシーケンス - キュー4で Tracking Distance に Δ1 を設定

これによって R は、保存されたキューともう一つのキューからトラッキングされます。その後、フィクスチャは以前のトラッキング値に戻ります。キュー3でカラーが事前設定されるように、キュー4に対するMIBが機能しています。

同じ結果は、絶対的な番号を指定することによっても得られます。この番号は、値をそこまでトラッキングする特定のキュー番号を表しています。

以下の画面例では、キュー4で Tracking Distance にキュー番号5が設定されています。


六つのキューを持つシーケンス - キュー4で Tracking Distance にキュー番号5を設定

結果は、Δで設定した例と同じになります。違いは、どのキューまでトラッキングするかを、Δではキューの数で指定しているところを、特定のキュー番号で指定していることです。

例えば、キュー4.5が追加された場合、Δ+1 ではトラッキングがキュー4.5で止まりますが、特定キューで指定するとキュー5までトラッキングします。

値は、Tracking Distance の後で解放されます。その結果、フィクスチャは Tracking Distance 前のキューにあった値に戻ります。これは、トラッキング値として表示されます。

この例では、キュー1からトラッキングされたカラー値と、キュー3からの Dimmer 値を得ています。

以前のキューからの値が他にない場合、キューから何らかの値を得るまで、フィクスチャはシーケンスから解放されることになります。

Cue Zero

Cue Zero は、アトリビュートのデフォルト値へのリンクを含む、自動的に作成されたキューです。Cue Zero を手動で変更することはできません。このキューは、シーケンス開始時にデフォルト値を提供します。また、キューを移動またはコピーするときに、欠けているデフォルト・データを提供します。

Off Cue

Off Cue は実際のキューではなく、アトリビュート値は含まれていません。シーケンスがオフになったときに用いられるタイミング情報を持っています。

Release

Sequence Sheet には Release 列があります。この欄を編集すると、セルが Yes に変わります。これは、トラッキング値が、このキュー以降で解放されることを意味します。


六つのキューを持つシーケンス - キュー1と5で解放

解放されたキューの上部には、白い横線が引かれます。これは、トラッキング値が終了し、シーケンスに他の値がない場合、そのアトリビュートがシーケンスから解放されることを示しています(空の黒いセル)。

シーケンスでアトリビュートが解放されると、シーケンスがアトリビュートに情報を送らなくなったのと同じになります。

別のシーケンスがアトリビュートに値を送っている場合、これらの値が用いられます。この場合、シーケンスの優先度が重要になります。優先度については、キューの再生 を参照してください。

アトリビュートが、いずれのシーケンスやプログラマからも値を受け取らない場合、それらはフィクスチャタイプで定義されたデフォルト値に戻ります。

Release オプションを用いて値を保存することもできます。これは、Sequence Tracking Sheet の関連領域を空にします。

トラッキングのオン/オフ

Sequence Settings にも、トラッキング機能のオン/オフを切り替えるためのオプション(Tracking)があります。

Tracking がオフの場合、トラッキング値が消え、トラッキングされていた値は解放されます。

上の画面例におけるシーケンスは、トラッキングをオフにするとか以下のようになります。


Sequence 5 - Tracking がオフ

フィクスチャ1は、キュー1でのみ青で点灯し、キュー2でデフォルト値に戻ります。キュー4では赤で点灯し、キュー5でカラーがデフォルトに戻ります。キュー3に保存されているゼロ値は、デフォルトの Dimmer 値なので冗長です。