基本的なフィクスチャによる最初のパッチ

新規作成したショーファイルは、空の状態です。

grandMA3 で何か意味のあることを行えるようにするには、パッチにいくつかのデバイスを追加する必要があります。

フェス用仕込みのモックアップを作成してみましょう。これは完全なものではありませんが、非常に多様で柔軟なため、ソフトウェアのさまざまな機能を試すことができます。

後の章では、7カ所の "Pad" にムービングライトなどを設置します。しかし、多数の複雑なフィクスチャを追加する前に、まずは従来型の基本的なフィクスチャから始めます。

従来型のものは、フロントライト、サイドライト、および目つぶし用に使います。これらの単純なフィクスチャから始めて、基本的なワークスペースや、パッチとショーファイルの構成方法を理解していきましょう。

 

フィクスチャの設定については、すべて Patch で行います。フィクスチャ・プロパティに簡単にアクセスできるツールもありますが(後の章で説明)、すべてのフィクスチャ・プロパティは、最終的には Patch 内に存在しています。

フィクスチャ・プロパティには、フィクスチャタイプとモード、DMXパッチアドレス、3D空間での位置などが含まれています。

フィクスチャ構成を整理するためのさまざまなツールがあります。フィクスチャ追加を始める前に、それらについて説明しておきましょう。

Grouping フィクスチャ

Fixture Sheet では、個々のフィクスチャが行として表されます。これによって、各フィクスチャの持つさまざまな値を確認できます。多数のフィクスチャがあると、フィクスチャのリストも非常に長くなることがあります。

フィクスチャは、特別な Grouping フィクスチャ内にグループ化できます。これは、同じ動作をさせることが多いフィクスチャに対して特に有用です。Grouping フィクスチャは、ID番号を持つことができる仮想フィクスチャです。このIDを用いてフィクスチャを選択すると、実際には内部のフィクスチャに値が適用されます。Grouping フィクスチャ自体には、いかなる値もありません。Grouping フィクスチャ内の各フィクスチャには固有のIDが必要で、そのID番号によって個別にアクセスできます。

Grouping フィクスチャ内にフィクスチャを入れると、階層構造ができます。grandMA3 には多くの階層があり、それらは多くのレイヤを持つことがあります。階層構造では、 という用語がよく使われます。Grouping フィクスチャについて述べるとき、実際のフィクスチャは、親(Grouping フィクスチャ)内の子になります。 子フィクスチャは、上述のように一意的な固有のIDで選択できますが、親のIDと子のインデックス番号を用いて選択することも可能です。これについては4章で詳しく説明します。

サブフィクスチャ

一部のフィクスチャはサブフィクスチャを持っています。これは、フィクスチャが同じ動作をする複数の要素を持つ場合によくあります。例えば、個別に制御できる複数のLED要素を持つフィクスチャの場合、Pan/Tilt などのすべての共有機能を備えた親フィクスチャがあり、各LED要素がその子またはサブフィクスチャになっています。これらのサブフィクスチャは、親フィクスチャIDからのサブIDとしてアドレス指定されます。親IDと子IDは . (ドット)で区切られます。

例えば Clay Paky A.leda B-EYE K10 (Standard RGB モード)は、個別に制御できる19のLEDに分割できます。フィクスチャIDが17の場合、17を選択するとメインの親フィクスチャだけが選択されます。メインとすべてのサブフィクスチャを選択したい場合は、末尾にドットを付けた "17." を選択する必要があります。フィクスチャ17.1を選択すると、最初のLED要素(サブフィクスチャ)たけが選択されます。

IDTypes

フィクスチャは、種々の IDTypes で整理することができます。利用できるタイプは8種類あります。そのうちの二つは、FixtureChannel です。 残りの六つは、必要に応じて名前を変更できます。デフォルトの名前は、HouselightsNonDimMediaFogEffect、および Pyro です。

各 IDType には、1から始まる固有の番号範囲があります。

1台のフィクスチャは、二つの異なるID番号を持つことができます。最初のものは常に Fixture IDType で、FID と呼ばれます。2番目は、他の IDTypes の一つで、CID と呼ばれます。フィクスチャを選択して制御できるようにするには、少なくとも一つのIDが必用です。

 

Patch に入る

この章の目標は以下の通りです。

これを行うには、Patch に入る必要があります。Menu (または onPC の アイコン)を押してから、Patch をクリックしてください。

Insert New Fixtures ウィザード

Patch を初めて開いたときは空の状態で、Insert New Fixture ウィザードが表示されます。これによって、フィクスチャを追加するために必要な情報を入力できます。

カーソルは Filter 欄にあり、語を入力することで表示されるリストを絞り込めます。

新規ショーではデフォルトとして grandMA3 フィクスチャが表示されます。他のリストも選べますが、最初のフィクスチャについてはこのままでかまいません。

ディマーが必要なので、Filter 欄に dim と入力してください。

これによって、Manufacturer、Name、Mode のいずれかに dim が含まれているフィクスチャだけが表示されます。

上の画面例では、白い三角マークをクリックしてフィクスチャタイプを展開し、フィクスチャが持つ種々の Mode をすべて表示しています。

このような三角マークは、要素を開閉できることを意味しています。

フィクスチャが、DMXチャンネルや機能が異なる動作モードを持っているということです。物理的には同じフィクスチャでも、選択したモードによって動作が異なる場合が多いです。

これは、より複雑なフィクスチャほど意味を持ちます。

ここで必要なのは、"Spot 8 bit" モードのディマーです。この行が選択されていることを確認し(背景色が青)、右下隅にある Select をクリックしてください。

ここで、フィクスチャに名前を付けることができます。名前の最後に空白で区切られた番号がある場合、フィクスチャには、その番号から始まる連番が自動的に振られます。

デフォルトの "Dimmer 1" のまま、Enter をクリックします。

次の Quantity は、追加するフィクスチャの台数です。

28 と入力し、左側にある Apply (数値入力の 'Please' ではなく)をクリックしてください。

"Dimmer" に連番が振られた名前で、28のディマーができます。これらは、DMXユニバース1のアドレス1からパッチされます。

FID は1〜28になります。

こうして、この章の目標の一部が達成されました。次は、Grouping フィクスチャを追加します。

リストの最後までスクロールし、"New Fixture" というセルを選択して、メニューの Insert New Fixture をクリックしてください。Insert New Fixture ウィザードに戻ります。

ここで "In current show" というリストを見ると Dimmer だけが表示されています。ディマーをさらに追加する場合はよいのですが、今度はショーに新しいフィクスチャタイプを追加しなければなりません。

そのためには、目的のフィクスチャタイプを適切なライブラリからショーに取り込む必要があります。

Grouping フィクスチャは "grandMA3" ライブラリにあるため、Filter 欄の上にある grandMA3 ボタンをクリックします。

そして Filter 欄に group と入力し、"Grouping" フィクスチャを選択して、Select をクリックします。

フィクスチャには Blinders という名前を付けます。必要なのは一つだけですが、FID を 20 にしたいので、FID 欄に 20 と入力します。すると、FID 欄の背景が赤になり、問題があることが示されます。

とりあえずこれは無視して、Apply をクリックします。

問題は、FID は重複できないため、以前に FID が 20 だったフィクスチャが "None" になっていることです。

これを修正するために、すべての目つぶし用フィクスチャの番号を振り直します。これは、リストの最後にある14台のディマー・フィクスチャです。これらの FID を選択してください。

FID 15 を左クリックしたまま、FID 28 までドラッグして離すと、以下のようになります。

そして、これを編集します。マウスの場合、青い部分を右クリックするだけで簡単に行えます。卓の場合は、Edit を押してから青い部分をタップします。

Edit FID ポップアップが表示されますので、2 1 とクリックし、Please で確定してください。これで、フィクスチャの番号が変わります。これらを Grouping フィクスチャの子になるように移動させる必要があります。

選択状態を保ったまま Cut をクリックすると、それらが切り取られてクリップボードに入り、リストから削除されます。

この内容を新しい場所に貼り付けます。

Blinders フィクスチャの三角マークをクリックして展開し、その中の New Fixture を以下のように選択します。

一番下にある New Fixture は "Blinders" の外になりますので間違えないでください。

そして Paste をクリックすると、Blinder フィクスチャの子になります。

以上がこの章の目標でしたが、ここでもう一つやるべきことがあります。

フィクスチャは、3D仮想空間での形状を持っています。この形状は、選択したフィクスチャタイプによって定義されています。目つぶし用フィクスチャを変更し、別のフィクスチャを見つけましょう。

14台のフィクスチャを再度選択しますが、今度は FixtureType 列で右クリックして値を編集します。

フィクスチャを見つけるためのポップアップが開きますので、grandMA2 ライブラリを選択し、Filter 欄に blinder と入力します。

Briteq COB Blinder 2x100W を展開し、1 DMXチャンネル(DMXFootprint)用のものを選択したら、Select をクリックして確定してください。

最後に、目つぶしの名前を変更しましょう。

Name 列ですべての目つぶし用フィクスチャを選択し、それを編集します。Blinder 1 と入力し、Enter で確定してください。

パッチは、以下のようになるはずです。

FID Name Type Patch
1 Dimmer 1 Dimmer - Spot 8-bit 1.1
2 Dimmer 2 Dimmer - Spot 8-bit 1.2
3 Dimmer 3 Dimmer - Spot 8-bit 1.3
4 Dimmer 4 Dimmer - Spot 8-bit 1.4
5 Dimmer 5 Dimmer - Spot 8-bit 1.5
6 Dimmer 6 Dimmer - Spot 8-bit 1.6
7 Dimmer 7 Dimmer - Spot 8-bit 1.7
8 Dimmer 8 Dimmer - Spot 8-bit 1.8
9 Dimmer 9 Dimmer - Spot 8-bit 1.9
10 Dimmer 10 Dimmer - Spot 8-bit 1.10
11 Dimmer 11 Dimmer - Spot 8-bit 1.11
12 Dimmer 12 Dimmer - Spot 8-bit 1.12
13 Dimmer 13 Dimmer - Spot 8-bit 1.13
14 Dimmer 14 Dimmer - Spot 8-bit 1.14
20 Blinders Grouping
21 Blinder 1 COB - Blinder 2x100w 1.15
22 Blinder 2 COB - Blinder 2x100w 1.16
23 Blinder 3 COB - Blinder 2x100w 1.17
24 Blinder 4 COB - Blinder 2x100w 1.18
25 Blinder 5 COB - Blinder 2x100w 1.19
26 Blinder 6 COB - Blinder 2x100w 1.20
27 Blinder 7 COB - Blinder 2x100w 1.21
28 Blinder 8 COB - Blinder 2x100w 1.22
29 Blinder 9 COB - Blinder 2x100w 1.23
30 Blinder 10 COB - Blinder 2x100w 1.24
31 Blinder 11 COB - Blinder 2x100w 1.25
32 Blinder 12 COB - Blinder 2x100w 1.26
33 Blinder 13 COB - Blinder 2x100w 1.27
34 Blinder 14 COB - Blinder 2x100w 1.28

右上隅にある X をクリックして Patch から抜けます。このとき、変更を保持するかどうかを尋ねられますので、Save and Exit をクリックしてください。

最後に、ショーを保存します。ここでは、コマンドラインから行ってみましょう。

以下のキーワード・ショートカットを入力します。

Admin[Fixture]>sa

そして、Enter/Please でコマンドを実行してください。

ショーが同じ名前で保存されます。sa は、SaveShow キーワードの短縮形です。


要約

この章では、基本的なディマー・フィクスチャを Patch に追加しました。これによって、ディマーのコントロール方法を学び始めることができます。

パッチの詳細については、ユーザマニュアルのいくつかのトピックで述べられています。

この章で行ったことについては、GUIによるショーへのフィクスチャ追加 というトピックに詳細な情報があります。また後の章でも Patch に戻り、いくつかの機能について詳しく見ていきます。

フィクスチャタイプについて知りたい場合は、フィクスチャタイプ というセクションを参照してください。

コマンドラインで一つのキーワードを使いましたが、これについては SaveShow キーワード を参照してください。

では、次の章 に進みましょう。