grandMA3 ユーザマニュアル » キューとシーケンス » Move In Black | Version 2.0 |
Move In Black (MIB) は、トラッキング・シーケンスが先を見越して、Dimmer がゼロからフェードインしているフィクスチャのアトリビュートを事前に設定しておく機能です。フェードイン中にフィクスチャがアトリビュートを変化させてしまうような遷移を自動的に防げます。
キューパートの各MIBプロパティに、事前設定を行うタイミングや方法を指定すると、キューパートごとにMIBが有効になります。
MIB 設定はキューに適用され、キューに保存されているすべてのフィクスチャに影響します。Hold という特別な値を Dimmer アトリビュートに保存することで、特定のフィクスチャに対するMIB動作を抑止できます。Hold は、Dimmer アトリビュートに0%の値を与えるのと似ていますが、フィクスチャのMIB機能をトリガーしません。Hold は、Dimmer アトリビュートに対する電卓の Specials タブにあります。Hold キーワード を用いて適用することもできます。
MIBの進行中、Fixture Sheet のMIBインジケータは以下のようになります。
MIBの動作を変更するために、いくつかのオプションとプロパティがあります。そのうちの2つは、MIB Fade と MIB Delay というタイミング・プロパティです。
MIB Fade は、MIBによって事前設定されるアトリビュートのフェードタイムです。これは、さまざまな場所で利用できます。どの MIB Fade タイムが適用されるかには、以下のように重要度の順序があります。
キューパートに MIB Fade タイムが指定されている場合、個々のアトリビュートの MIB Fade タイムは無視されます。キューの MIB Fade タイムが Default に設定されている場合、アトリビュートに個別 MIB Fade タイムが設定されていない限り、グローバルな MIB Fade タイムが適用されます。
MIB Delay は、Dimmer が閉じてから MIB Fade が実行されるまでにアトリビュートが待機するためのディレイタイムです。MIB Delay タイムは、キューパートごとに、またはショーファイルに対してグローバルに指定できます。その際、MIB Fade と同じルールが適用されます。キューの MIB Delay タイムを Default に設定すると、グローバルな MIB Delay タイムが適用されます。
キュー間で MIB Fade や MIB Delay が実行されると、Dimmer が再び開く(将来の)キューパートで指定されたMIBタイムが適用されます。例えば、フィクスチャがキュー5に備えてキュー3で移動している場合、キュー5で指定されたMIBタイムが、MIBに用いられます。
Sequence Sheet には、種々のMIB設定に対する列項目を表示できます。MIBに関連するすべての列項目の表示/非表示は、Sequence Sheet Settings 内の MIB Settings マスクで切り替えられます。詳しくは Sequence Sheet を参照してください。
Sequence Sheet で、MIB設定の異なる組み合わせについて考慮されていなかったり、キューやキューパートがMIBに適していない場合、それらのMIBセルは非表示になります。
グローバルな MIB Preferences の変更は、Menu - Preferences and Timing で行います。
Timings タブには、MIB Timings というセクションがあります。
ここでは、デフォルトの MIB Fade および MIB Delay の値をタイムとして指定します。詳しくは上述を参照してください。
MIB Transition プロパティは、MIBのフェードにどの Transition タイプを適用するかを指定します。Transition タイプについては、キュー・タイミング を参照してください。
MIB Transition は、ショーファイルにあるグローバルなすべてのMIBフェードに対してのみ指定できます。キューやキューパートごとのMIBフェードに対して、異なる Transition タイプを指定することはできません。
Cues タブには、MIB Preferences というセクションがあります。
ここでは、新規キューの保存時に設定されるデフォルト値を変更できます。
これらの設定については、上述を参照してください。
Sequence settings には、シーケンス全体についてのMIB設定があります。詳しくは Sequence Settings を参照してください。
Sequence settings のMIB設定には、キューに基づくMIB設定を MIB 設定で上書きできるオプションがあります。
MIB を Enabled 以外に設定すると、Sequence Sheet の MIB Mode 列で、対応する設定が感嘆符付きで表示されます(例: Never!)。
MIB Mode 設定は、MIBを実行する際に用いられるデフォルトのMIBモードを選択します。キューやキューパートごとの MIB Mode は、Default に設定する必要があります。
シーケンスごとの種々の MIB Mode については、上述を参照してください。
Track Sheet モードの Sequence Sheet では、MIBが実行されたときに、アトリビュートが特殊な色で表示されます。
以下の例では、MIBが実行されたときの様子が表示されています。
フィクスチャを、キュー5のために準備しておく必要があるとします。キュー5では、MIB Mode が "UponGo" に設定されています。これは、キュー2でフィクスチャが0%にフェードすると、次のキュートリガーでMIBを利用できることを意味します。キュー3がアクティブになると、キュー5に対するMIBが実行されます。
デフォルトの色表示では、背景が暗青緑、文字が黒になっています。 Fixture Sheet でのMIB色や、他のさまざまな表示色については、色表示 を参照してください。