キューの使い方

キューには、いくつかまたはすべてのフィクスチャに対する値が含まれています。キューについてのより一般的な説明は、キューとは のトピックを参照してください。

このヘルプトピックでは、キューの操作法について見ていきます。

キューの作成

キューはキューリストにまとめられていて、グループマスターや特殊マスター以外のエクゼキュータに保存できます。

保存を行うには、プログラマに何らかのフィクスチャと値を入れる必要があります。この意味がよく分からない場合は、プログラマとは および フィクスチャの追加とパッチ を参照してください。

プログラマにアクティブな値がある場合、その情報をキューに保存できます。これは、メイン・エクゼキュータまたは他のエクゼキュータのいずれかに対して行えます。エクゼキュータについてよく分からない場合は、What are executors を参照してください。

メイン・エクゼキュータのキューに値を保存したい場合は、Store Please と押してください。これにより、最初に利用可能なキュー番号で保存されます。メイン・エクゼキュータに何もないと、キュー番号は1になります。キュー1がすでにある場合、値は直ちに保存されず、その方法を尋ねられます。通常、エクゼキュータに2番目のキューを保存する場合、下のような Choose store method ウィンドウが表示されます。


Figure 1: Choose store method ウィンドウ

ここには、以下の四つの選択肢があります。

特定番号のキューを保存したい場合、コマンド入力でそれを明示的に指定できます。例えば、キュー5を保存したい場合は、Store Cue 5 Please と押します。
保存の際に、キュー・タイミングを追加することもできます。例えば、キュー5を、フェードタイム3秒として保存したい場合は、Store Cue 5 Time (= Fade コマンド) 3 Please と押してください。

キューを保存する際にキュー・タイミングを指定しないと、Time defaults ウィンドウ で設定されているデフォルトのタイムが用いられます。コマンドラインが空の状態で Time キーを押すと、下のような Time defaults ウィンドウが開き、これらのタイムを設定できます。


Figure 2: Time defaults ウィンドウ

 

キューを、メイン・エクゼキュータ以外のエクゼキュータに保存したい場合は、そのエクゼキュータに関連付けられているキーを押す必要があります。例えば、キュー2を特定のエクゼキュータに保存したい場合、Store Cue 2 と押してから、保存したいエクゼキュータに関連付けられているキーの一つを押します。

キューを保存すると Auto Unblock が適用され、保存後に変化していない値はすべて除かれます。キューをブロックしたい場合は、後述の Protect 機能を用いてください。

dot2 はトラッキング卓です。この意味がよく分からない場合は、トラッキングとは のトピックを参照してください。

キューの更新

現在アクティブなプログラマ内容は、任意のキューにいつでも保存できます。

しかしアクティブなキューが動作中の場合、Update キーを用いてより素早く行うこともできます。Update Please と押すと、メイン・エクゼキュータでアクティブなキューが更新されます。

Update を押してから他のエクゼキュータのキーの一つを押すと、そのエクゼキュータでアクティブなキューが更新されます。アクティブなキューがない場合は何も起こりません。

更新の際には、その方法を尋ねるウィンドウが開きます。ここには、NormalCue Only という二つのモードがあります。Normal はトラッキングで更新を行い、Cue Only では次キューの値が保持されます。

キューを更新すると Auto Unblock が適用され、更新後に変化していない値は除かれます。キューをブロックしたい場合は、後述の Protect 機能を用いてください。

キューの命名

キューを保存した直後に小さな Label ポップアップが表示されます。これをタップすると、Enter Name for... ウィンドウ が開き、そのキューに名前を付けられます。

キューを作成した後で名前を付けたい場合は、Label キーで行えます。例えば、メイン・エクゼキュータのキュー2の場合、Label Cue 2 Please と押します。

また Cues ビュー で、変更したいキューの Name セルを約2秒間長押しすることによっても、Enter Name for... ウィンドウを開けます。

キュー・タイミングの変更

キューには種々のタイミングがあり、それらは Cues ビュー で確認できます。

通常の (In)Fade と Out Fade の値は、アトリビュート値が上昇/下降する際にそれぞれ用いられるタイムです。工場出荷時デフォルトでは、Out Fade は Fade (または InFade)のタイムになるように設定されています。そのため、Fade の値をどのように設定しても OutFade はそれと同じになりますが、両者を分けて設定することも可能です。

OutFade に対してディレイを設定することもできます。これは、OutFade の開始前に卓が待機するタイムです。

利用可能なすべてのプリセットタイプには、フェードとディレイのための独自のタイミングがあります。これを設定すると、そのプリセットタイプで変化する値に対して設定されているキュー・タイミングは上書きされます。

デフォルト・タイミング

Time キーを押すと、Time defaults ウィンドウ が開きます。ここでは、キューを新規作成するときにデフォルトとして用いられるタイムを設定できます。

保存時のタイム設定

キューを保存する際に、デフォルトのタイミングを上書きすることができます。例えば、キュー3をフェードタイム5秒で保存したい場合は、Store Cue 3 Time (= Fade コマンド) 5 Please と押します。

Time キーは、コマンドの中で用いると特別な機能を持ちます。上の例では、Time キーを繰り返し押すと、キューで可能なすべてのタイミングにアクセスできます(プリセットタイプ・タイミングを除く)。

Cues ビューでのタイミング変更

Cues ビューが表示されている場合は、各タイムのセルを長押しすることで、その値を変更できます。

また、Scroll エンコーダで変更したいタイム欄を選んで押すと、電卓ビュー が開いて、新しい値を設定できます。

Edit キーを押してから、Cues ビューで変更したいセルを押すこともでも、電卓ビューが開きます。

キュー・トリガー

各キューには、それを実行するためのトリガーがあります。これには以下のようなものがあります。

重要
タイムコードによってキューがトリガーされると、そのキューは常にアサートされます。これは、キューのトリガー時にすべてのトラッキング値がアサートされることを意味します。

キューのプロテクト

トラッキング値によってキューの見え方が変化しないように、キューを保護することができます。

Cues ビューには Protected 列があります。これが設定されていると、トラッキングがここで終わること示すために、そのキューの上部に白い横線が表示されます。

保護されたキューは、「ブロック」または「マーク」として機能します。これは、実行時にキューから値(トラッキング値を含む)をアサートすることを意味します。

保護されたキューから逆方向に実行すると、フィクスチャは以前のキューで持っていた値にフェードして戻ります。これがトラッキング値の場合、初めに値を取得したキューのフェードタイムが用いられます。例えば、フィクスチャ1が、キュー1では100%、キュー2では50%(フェードタイム5秒)の値を取得するとします。キュー3(フェードタイム1秒)では、フィクスチャ1に対する変更は行いません。そして、フィクスチャ1を0%、フェードタイム0秒でキュー4に保存します。キュー4は保護されています。
キュー4で Go- を押してキュー3にフェードすると、フィクスチャ1は、(キュー2からの)50%に、キュー2のフェードタイムを用いてフェードします。キュー3に保存されている他のフィクスチャは、キュー3からフェードタイムを用いますが、トラッキング値を持つフィクスチャ1は5秒を用います。

キューリストの特定キューに移動

Goto キーを押すと、特定のキューに移動できます。コマンドが(Please で)実行されるとすぐに、そのキューに移ります。

例えば、キュー3に移りたいが、そのために他のキューを経たくない場合、Goto Cue 3 Please と押します。

これを、特定のフェードタイムを用いて行うことも可能です。例えば、キュー10に移りたいが、そのフェードタイムが2分になっているとします。もっと早く移るには、キュー10のフェードタイムを上書きする必要があります。ここで、Goto Cue 1 0 Time (= Fade コマンド) 1 Please と押すと、キュー10に1秒で移れます。

キューのコピー

Copy キーを用いて、キューを別のキューにコピーできます。コピー操作には、二つのオプションがあります。"CueOnly" では、コピーされた値をトラッキングせずにキューをコピーしますが、新たなキューに続くキューの見え方が変わらないようにします。"Status" は、ソース・キューにトラッキング値を含めるために用いられます。これが無効な場合、ソース・キューに実際に保存されているアトリビュート値だけがコピーされます。

コピー先によっては、いくつかの選択肢があります。既存のものがない場合は、単に新たなキューをコピーするだけですが、既存のキューにコピーする場合は、新しい値をコピー先にマージするか、既存の値をすべて削除して上書きするかを選択できます。

例えば、キュー2を新しい場所にコピーしたいとします。キュー番号は3.5にします。キュー1からのトラッキング値を含め、キュー4は変更したくない場合、Copy Cue 2 At 3 . 5 Please と押してください。すると、下のような Choose Copy method ウィンドウが表示されます。


Figure 3: Choose copy method ウィンドウ

キュー3.5が既にあるか、新たにキューを作成するかによって、この画面は少し異なります。Status にチェックマークがあることを確認し、また "CueOnly" オプションが表示されている場合は、そこにもチェックマークがあることを確認してください。オプションに応じて Copy または Merge をタップします。

キューをコピーすると Auto Unblock が適用され、コピー後に変化していない値はすべて除かれます。キューをブロックしたい場合は、上述の Protect 機能を用いてください。

キューの移動

Move キーを用いて、キューを移動できます。
例えば、キュー2を(既存ではない)キュー6に移動するには、Move Cue 2 At 6 Please と押してください。この場合、何の確認も出ずにキューが移動します。

既存のキューに移動しようとすると確認が出ます。この場合、移動先の既存値は上書きされます。

キューリストのリナンバー

単独のキュー、またはキューの範囲に対して、リナンバーが可能です。Cues ビューで、キュー番号を長押ししてください。下のような Edit Cue Number(s) ウィンドウ が開きます。


Figure 4: Edit Cue Number ウィンドウ

このウインドウの一番上にある設定欄では、リナンバーを行いたいキューの範囲を指定できます。そしてその下で、キューの新しい開始番号とステップ幅を指定します。設定がよければ、Renumber ボタンを押してください。

リナンバーを、キューを移動するために利用することはできません。キューリストは常に番号順になっている必要があります。そのため、新しい番号が、設定範囲の前後を超えるような変更はできません。

キューの削除

キューは、Delete キーで削除できます。削除の際には、キューを "Normal" で削除するか "Cue Only" で削除するかを尋ねられます。これは、最後のキューではないものを削除する場合にのみ尋ねられます。"Normal" では、前キューから次キューへと値のトラッキングが行われ、そのキューで変更された値は削除されます。"Cue Only" では、後続キューの見え方が、削除前と同じようなるようにします。

 

関連事項

プログラマとは

キューとは

トラッキングとは

エクゼキュータとは