3D
3D ウィンドウは、フィクスチャの配置・回転が可能な仮想空間を視覚化して3D表示します。
フィクスチャの値が変更されると、それが投射するビームが動いたり色が変化したりします。
すべてのフィクスチャと他の Stage オブジェクトは、Patch 、Live Patch 、あるいはこのウィンドウで、配置や回転が可能です(3D空間へのフィクスチャ配置 を参照)。
3D ウィンドウの例
Stage オブジェクトは、ボックスまたは単なる床として視覚化できます。ボックスの中は覗けますが、外を見ることはできません。詳しくは 後述 を参照してください。
3D空間を見るために用いられる仮想カメラがあります。これらは、3D空間をどこからどのように見るか、位置や方向などの諸設定を行えます。カメラは、Camera プール に保存されています。
タイトルボタン
タイトルバーには、いくつかのボタンがあります。これらの大部分は、利用可能なオプションを選ぶためのスワイプボタンになっています。
そのうちの三つは、ラベルおよび Setup モードのオン/オフを切り替えるボタンです。
他のボタンでは、Selection Mode、Stage オブジェクト、Render Quality、および Camera を素早く選択できます。
Patch では複数のステージを作成できます。各 3D ウィンドウには、これらのステージの一つを表示できます。詳しくは ステージ を参照してください。
設定については 後述 を参照してください。
左側ツールボタン
ウィンドウの左側には、いくつかのツールボタンがあります。これらのツールは、ウィンドウがタッチされたときに何が起こるかを決めたり、カメラ位置を変更したりするために用いられます(カメラについては後述を参照)。ツールボタンをタップしてモードを選んでから、ウィンドウをタッチすると、そのモードによって動作が決まります。選択されているモードのツールは黄色で表示されます。また、そのモード名がタイトルバーに表示されます。選択中のカメラがロックされていると、ほとんどのアイコンがグレーアウトされて無効になります。
以下は各ツールボタンについての説明です。
(Fit):
ステージ領域全体がビューに収まるように、カメラを移動します。
(Camera):
選択されているカメラが、Camera プール・オブジェクト での設定内容にリロードされます。
(Select):
タッチモードを Select にします。これは、ウィンドウでフィクスチャを選択するのに用いられます。タップまたは投げ縄操作によってフィクスチャを選択できます。
(Follow):
タッチモードを Follow にします。選択されているすべてのムービングライトが、タッチしたステージ領域に向きます。Follow 機能は、Align 設定にしたがいます。
(Move):
Camera Move モードになります。Move とは、カメラの Pan/Tilt 値を変えずにカメラ位置を変更することを意味します。マウスホイールは、ポインタ位置に基づいてビュー内でカメラを前後に動かします(中央でなくても可)。
(Rotate Center):
Camera Orbit モードになります。このモードでは、カメラがウィンドウの中心を向いたまま、その周りを回ります。マウスホイールは、カメラをポインタ位置に近づけたり、ポインタ位置から遠ざけたりします(中央でなくても可)。
(Zoom):
Camera Zoom モードになります。3D ウィンドウでカメラを近づけたり遠ざけたりします。これは、マウスホイールを用いれば他のモードでも可能です。
(Rotate Pivot):
このモードでもカメラが周回しますが、ピボットポイントは中央でなくてもかまいません。ピボットポイントは次の Set Pivot アイコンで設定でき、新たに設定されるまで記憶されます。マウスホイールは、Rotate Center モードと同様に機能します。
(Set Pivot):
ウィンドウに新しいピボットポイントを設定します。ウィンドウのクリックまたはタッチによってポイントが設定されるとすぐに、Rotate Pivot モードが選択されます。
(Fit Selected):
選択されているフィクスチャがビューに収まるように、カメラを回さずに移動します。
カメラの移動
カメラは、Camera プール のプール・オブジェクトです。カメラは、いろいろな場所に移動させ、方向を変えることができます。
この情報はプールで編集できますが、位置や方向は 3D ウィンドウで変更する方が簡単です。詳しくは、上述の左側ツールボタンについての説明を参照してください。Camera Pivot というカメラモードは、左側メニューからはアクセスできません。これは Window Settings 設定でのみ変更できます。
Camera Pivot は Orbit によく似ていますが、カメラが常に3D空間の中心の周りを回るのではなく、ウィンドウ内でタッチされた点の周りを回ります。
マウスホイールは、カメラをポインタ位置に近づけたり、ポインタ位置から離したりします。
プール内のカメラを編集すると、そのモードやタイプを変更できます。詳しくは Camera プール を参照してください。
フィクスチャの移動
フィクスチャの配置や回転は、Patch または Live Patch で設定できますが、3D ウィンドウにおいてライブで行うことも可能です。
詳しくは 3D空間へのフィクスチャ配置 を参照してください。
Window Settings
3D ウィンドウの左上隅にあるMAロゴをタップすると設定が開きます。
この Settings ポップアップには、Rendering 、Misc 、および Label というタブがあります。
Rendering 設定
Rendering は、照明レベル、色、およびレンダリング品質に関する設定です。
3D Window Settings - Rendering タブ
ここには、以下の4本の画面フェーダがあります。
Beam:
すべてのフィクスチャから出るビームの可視性です。
Spot :
表面に当たったビーム反射を視覚化するための一般的なインテンシティです。
Ambient :
ステージボックス内/外の環境光レベルです。3D ウィンドウのコントラストを下げる拡散光です。
Point Light :
カメラ方向からの光源です。3D空間で要素を照らすために用いられます。
Ambient および Point Light には、カラーフィルタを装着するのと同様に色を付けられます。フェーダの上部をタップすると、色選択のためのポップアップが開きます。
Background にも色を付けられます。この色を表示するには、Ambient (環境光)を上げる必要があります。
ここには、以下のようなボタンがあります。
Dynamic Gobo Resolution (Dyn. Gobo Res.) :
動的に作成されたゴボの解像度です。
Bloom Intensity :
このボタンをタップすると、ブルーム・エフェクトの On/Off を切り替えられます。
Setup :
これをオンにすると、3D ウィンドウとエンコーダバーによってフィクスチャや3Dオブジェクトを移動できるようになります。詳しくは 3D空間へのフィクスチャ配置 を参照してください。タイトルバーにも、これに対応するボタンがあります。
Camera :
これは、Camera プールからカメラを選択するために用いられます。選択されたカメラにしたがうように設定されている場合、カメラ名が山括弧で囲まれます。詳しくは Camera プール を参照してください。タイトルバーにも、これに対応するボタンがあります。
Stage :
3D ウィンドウに表示するステージを選択します。3D ウィンドウには、一度に一つのステージしか表示できません。詳しくは ステージ を参照してください。タイトルバーにも、これに対応するボタンがあります。
Render Quality :
レンダリング品質を選択します。詳しくは 後述 を参照してください。タイトルバーにも、これに対応するボタンがあります。
これらの一部はスワイプボタンなので、スワイプアウトすれば簡単に選択肢を選べます。
Misc 設定
2番目のタブは Misc です。
3D Window Settings - Misc タブ
Misc タブには以下の設定があります。
Show FpS:
オンにすると、FpS (フレーム/秒) 情報がウィンドウにウィンドウの右上隅に表示されます。
Wireframe:
オンにすると、シェーディングの代わりにワイヤフレームで 3D ウィンドウを表示します。
3D Priority :
オンにすると、3D ウィンドウの優先度が高くなります。高性能グラフィックボードを搭載したコンピュータで使用する場合にのみ、これをオンにすることをお勧めします。これは卓のインターフェースからリソースを奪うため、ユーザ入力に対する反応が鈍くなります。
Lens Shading :
セレクションが、Beam ジオメトリ・タイプのレンズに表示されるかをどうかを指定します。オンにすると、セレクションのレンズ部分が網掛け表示されます。
Mark Faulty Meshes :
アンロードされた、または欠陥のあるメッシュをマークします。
Touch Mode :
3D ウィンドウでタッチやスワイプを行ったときの動作を指定します。タップすると、Select 、Follow 、Camera Orbit 、Camera Zoom 、Camera Move 、Camera Pivot 、および Camera Set Pivot のいずれかに切り替わります。Camera オプションは、カメラを移動します(前述 を参照)。Select オプションは、ビューでフィクスチャを選択するのに用いられます。
Selection Mode:
これは、Selection Grid でフィクスチャがどのように選択されるかを指定します。タイトルバーにも、これに対応するボタンがあります。Selection Mode には、以下の二つの選択肢があります。
ヒント
Perspective 選択を用いると、3D ウィンドウのカメラの投影歪みが、Selection Grid のフィクスチャ位置に影響を与える可能性があります。これを防ぐには、3D ウィンドウで2Dカメラを使用してください。
Mark Unpatched :
オンにすると、パッチされていないフィクスチャが暗赤色でマークされます。
Prism Lines :
Beam Quality が Line に設定されている場合、各プリズム面に対するラインを表示します。
Arrangement :
これは、紫の配置「ゴースト」マーカの視覚化に関する設定をまとめたものです。
Mark Type :
Dynamic または Small という二つの選択肢があります。Dynamic では、フィクスチャのサイズに合ったボックスが表示されます。Small では、小さな四角マーカだけになります。
Depth :
マークを表示する際に、3D空間の奥行きを考慮するかどうかを設定します。オンにすると、マーカがオブジェクトの後ろに隠れる場合があります。オフにすると、マーカは常に他のオブジェクトの前に表示されます。
Alpha :
マーカ・オブジェクトの透明度を指定します。
Draw Target Spaces :
MArker フィクスチャのターゲット・スペースを表す四角いワイヤーフレームの表示/非表示を切り替えます。
Show Title Bar :
ウィンドウのタイトルバーの表示/非表示を切り替えます。
Label 設定
Label というタブでは、フィクスチャのスポットやボディ部分に表示できるラベルの設定を行います。
3D Window Settings - Label タブ
Show Label on Body :
フィクスチャのボディに描画されるラベルの表示/非表示を切り替えます。タイトルバーにも、これに対応するボタンがあります。
Show Label on Spot :
オンにすると、フィクスチャが当てるスポットの中心にラベルが表示されます。このラベルを投げ縄選択することによっても、フィクスチャを選択できます。タイトルバーにも、これに対応するボタンがあります。
Add Fixture ID / Add CID / Add Patch / Add Name :
ラベルにどの情報を表示するかを指定します。
Background Alpha :
ラベル背景の透明度を設定する画面フェーダです。
Text Alpha :
ラベル文字の透明度を設定する画面フェーダです。
Font Size :
ラベルに表示される文字のフォントサイズを設定します。このボタンをタップすると、サイズを選択するための Select Label Font Size ポップアップが開きます。
Max Label Count :
同時に表示されるラベルの最大数を設定します。ラベルの数がこの最大数を超えた場合、カメラに最も近いラベルが表示されます。
Selection Only :
ラベルが、すべてのフィクスチャに表示されるか、選択または部分選択されたフィクスチャだけに表示されるかを指定します。
Selection Priority :
選択されたフィクスチャのラベルが、選択されていないフィクスチャの前面に表示されるかどうかを指定します。
Spot Subfixture ID :
オンにすると、スポットのラベルに、対応するサブフィクスチャのIDが表示されます。オフにすると、フィクスチャのすべてのスポットに、メインフィクスチャのIDが表示されます。
Reset Properties :
このボタンをタップすると、Label に関する諸設定が工場出荷時のデフォルトにリセットされます。
Render Quality
Render Quality は、光とフィクスチャのボディが 3D ウィンドウでどのようにレンダリングされるかを定義します。
すべてのレンダリング設定は、Render Quality プール・オブジェクトに保存され、プールで簡単に選択できます。
RenderQualities プール
このプールには、定義済みのレンダリング品質がいくつかあり、常にいずれかのオブジェクトが選択されています。3D は、任意のレンダリング品質を用いたり、選択されているプール・オブジェクトにリンクしたりできます。
新しいプール・オブジェクトを作成・編集すると、レンダリング設定を変更できます。
Render Quality Editor
エディタには以下の設定があります。
Name :
プール・オブジェクトの名前です。タップすると名前を変更できます。
Scribble :
割り当てられているスクリブルです。タップすると、スクリブルを選択したり新規作成したりできます。
Appearance :
割り当てられているアピアランスです。タップすると、アピアランスを選択したり新規作成したりできます。
Beam :
ビームを視覚化する際のシミュレーション品質を切り替えられます。後のものほど品質が高く、より多くのコンピュータ・リソースを必要とします。
No Beam :
ビームをレンダリングしません。このモードでは、ゴボやスポットのレンダリングが行われません。
Line :
ビームを1本の単純な線で描きます。このモードでは、ゴボやスポットのレンダリングが行われません。
Standard :
ビームを簡略に描きます。
High :
ビームをよりリアルに描きます。
High Fancy :
光の散逸をより正確に計算して描きます。
Shadow :
他のオブジェクトにビームが当たったときに影ができるかどうかを切り替えます。Patch で3Dオブジェクトの Cast Shadow 設定を有効にしておく必要があります。
Gobo :
ゴボが、ビームおよびスポット内でレンダリングされるかどうかを指定します。以下の三つの選択肢があります。
Disabled :
ゴボはレンダリングされません。
Enabled :
ゴボがレンダリングされます。
Animated :
ゴボに加えて、ゴボシェイクやゴボホイール・スピンなどのアニメーションもレンダリングされます。Enabled では、これらのアニメーションがレンダリングされません。
Body Quality :
フィクスチャのボディのレンダリング品質を指定します。レンダリングなしからより高い品質へと、None、Box、Low、Simple、Standard、High、および Ultra という選択肢があります。
Multi LED Beam Mode :
マルチエミッタ・フィクスチャのビームのレンダリング方法を指定します。以下の選択肢があります。
Separated Beams :
各エミッタのビームがレンダリングされます。
Single Beam Mean Color :
平均色による単一ビームとしてレンダリングされます。
Single Beam Dynamic Gobo :
エミッタ出力から「仮想の動的ゴボ」を作成し、単一ビームとしてレンダリングされます。
Light Scale :
3D ウィンドウにおける光レンダリングの解像度を連続的に変更します。100%では、3D ウィンドウがネイティブの解像度でレンダリングされます。0%は、3D ウィンドウの光の解像度が、幅と高さについて5で割ったものになります。デフォルトは100%です。
Render Scale :
3D ウィンドウにおけるレンダリング全体の解像度を連続的に変更します。100%では、3D ウィンドウがネイティブの解像度でレンダリングされます。0%は、3D ウィンドウの解像度が、幅と高さについて5で割ったものになります。デフォルトは100%です。
Shadow [Pix] :
レンダリングされる影の解像度を変更します。この値が高いほど、影部分の解像度が高くなります。これは、Beam Quality が "Gobo Shadow"、"High Shadow"、および "High Shadow Fancy" の場合のレンダリングにのみ影響します。デフォルトは128です。
Snap :
これが有効な場合、Render Scale と Light Scale が整数値で分割され、フェーダにスケール(1/1〜1/5)が表示されます。
Render Scale と Light Scale は組み合わせて使用できます。両方を1/2に設定すると、3D ウィンドウ全体がその半分の解像度でレンダリングされ、光は1/4の解像度でレンダリングされます。
3D コンピュータのセットアップ
grandMA3 卓は、フィクスチャとステージ設定を含む 3D ウィンドウを表示できますが、照明プログラミング用のヒューマン・インターフェースとして最適化されています。
高品質で高フレームレートの3Dレンダリングマシンが必要な場合の最善策は、強力なグラフィックボードを搭載した高性能コンピュータを使用することです。このようなコンピュータに grandMA3 onPC をインストールし、3Dグラフィックス用に最適化してください。
grandMA3 onPC は、卓とのセッションに参加する必要があります。grandMA3 onPC は、異なる Screen Configuration (ユーザ設定 を参照)を用いるデフォルトの 3D ユーザとしてログインできますが、デフォルトの Admin ユーザと同じユーザプロファイルになります。grandMA3 onPC は、3D コンピュータを見ているユーザと同じユーザプロファイルを持つユーザでログインする必要があります。これにより、3D コンピュータはユーザにしたがってプレビュー・モードになります。
3D コンピュータでは、すべてのレンダリング設定を最高品質に設定した一つの大きな 3D ウィンドウを表示し、3D Priority という 3D ウィンドウの設定をオンにします(上述の設定を参照)。
Window Settings で、3D 表示部分を最大化するためにタイトルバーを非表示にすることもできます。また、Configure Display ポップアップ で、ビューボタンやエンコーダバーなどの要素を非表示にすることも可能です。